本日9月13日は世界敗血症デーです。
誰にでもかかる可能性がある敗血症(はいけつしょう)という病気をご存知ですか?
病気のことを知っていただき、世界中で助けることのできる命を増やそうという意を込めて設定された日です。
英語で敗血症はSepsis(セプシス)といいます。
9月13日 = September 13 → 〈 Sepsis 〉
敗血症とは細菌やウイルス、真菌などによる感染症が原因で臓器障害が起こることを指します。
肺炎や尿路感染症などの感染症からショックをきたし、全身の循環や呼吸状態が悪化して、
放置しておくと腎臓・肝臓など様々な臓器の機能が廃絶してしまうこともあります。
敗血症になってしまうと、集中治療室での専門的な治療が必要となってしまいます。
私はICU病棟(集中治療室)担当の薬剤師として働いていますが、
感染症や敗血症の治療に関わることも少なくありません。
昔は救うことのできなかった致命的な感染症も、現代の医療では治療できるようになり、
ヒトの平均寿命が延びたことにも大きく寄与しています。
一方で、感染の兆候や臓器障害の予兆があるにも関わらず、
受診を遠慮したり、様子を見ることにより
治療が間に合わなくなり、抗菌薬などを使うことで助かるはずだった多くの命が失われています。
日本では年間約10万人が敗血症によって亡くなられているそうです。
敗血症で命を落とすことにならないためには予防と早期発見が大切です。
そこで、今回の記事では受診する目安を知っていただいて、
万が一当てはまるようであれば早めに受診していただきたいと思います。
それによって助かるべき命が少しでも増えたらいいなと願っています。
〈早期発見のための受診のガイドライン〉
発熱している(38度以上)体温が低い(36度以下)
脈が速い(90回/分以上)呼吸が速い(20回/分以上)
意識が悪い(様子がおかしい)
全身がむくんでいる
血圧が普段より低い
手足が異常に冷たい2つ以上当てはまるなら受診をお勧めします。
敗血症.comより引用
これらの症状の原因として、
・何かに感染していて微生物と戦っている
・戦っていたが発熱もできないくらい弱ってきている
・ショックで全身循環が保てない状態
などの可能性が考えられます。
上記の項目のうち、2つ以上が当てはまるなら医療機関の受診をお勧めします。
臓器不全になって手遅れになる前に、感染症や敗血症かもしれないと思ったらすぐに行動することが大切です。
早期発見の前にもちろん予防も大切になってきます。
あなたも小さい頃から手洗いうがいをするように育ってきたかもしれませんが、
めんどくさくて はいはいわかってるよ~、となっていませんか?
敗血症、感染症の予防には大切なことです。
実際手洗いの仕方によっては手のひらに病原菌がたくさん残っているかも知れません。
敗血症.comは日本集中治療医学会の敗血症情報サイトです。
他にも予防法や対策、治療法など、とてもわかりやすく紹介されていますので、
興味のある方は一度訪れてみてください。
(抗菌効果のある一部の薬用石鹸は、人間の手に棲んで助けてくれている細菌への影響も示唆されているため、
病院勤務でない方などが 普段の生活において使いすぎるのは
健康マニアとしてはあまりおすすめはしないのですが...笑個人的には流水や抗菌薬の入っていない石鹸を使って
洗い残しが起きやすい部位を意識しながらしっかり洗うことが大切かなと思います。指先の爪、てのひら、手背、指間、親指、親指の根元などは意識しないと洗い逃しがちです。
洗ったあとはできれば保湿しましょう。)
健康マニアな薬剤師として、楽しく健康に生きるためには、腸内細菌が非常に大事ということは散々述べてきていて、
例えば、原因がウイルスである風邪に対して、細菌にしか効かない抗生剤が処方されても効果はなく、
腸内環境が荒れるだけでむしろ身体に悪影響を及ぼすかも知れないという話を以前も書きました。
抗生物質等の誤った使い方により、体調や免疫系等を狂わせてしまうかもしれないことや、
薬剤耐性菌ができて本来効くはずだった薬が効かない、などということが近年問題となっています。
ですが、大切なのは、抗菌薬は正しく使えば命を助ける本当に素晴らしい薬です。
そのために、適切な使い方の手助けをするのが私達薬剤師の役目です。
日々治療に関わる中で、劇的な改善が見られ、人間の生命力を感じることも多々あります。
同時に敗血症には予防と早期発見が大切だなと感じます。
上記の敗血症や感染症の兆候があれば早めに受診し、助かる命が少しでも増えたら嬉しく思います。
そんな想いを込めて集中治療室で働く薬剤師からの啓発記事でした。
9月13日は世界敗血症デー
#健康マニアな薬剤師 AkitoshiTokubuchi 競技ヨーヨー全日本チャンピオン