先週のものすごく暑かった週。
エアコンの風が直にあたるところでの日中の作業、
エアコンガンガン効かせての練習、
最後の決め手となったのがおそらく寝てる時にエアコンが顔に当たりっぱなしだったこと。。。
そんな初歩的なミスで先週体調を崩してしまいました泣
おそらく寝てる間に鼻水が少し喉に流れて、そのまま炎症を起こしたことによるものだと思います。
栄養睡眠等に重点を置いて体調は比較的すぐに回復したのですが、
発汗多量と1週間続いた咳にはなかなか悩まされました。
不甲斐ない。。。笑
というわけで、今回は普通の水よりも吸収効率が良い経口補水液の作り方を紹介してみようと思います。
市販のOS-1(大塚製薬)のようなものです。
風邪、インフルエンザ、感染性胃腸炎などによる発熱、発汗、嘔吐、下痢の他にも
熱中症予防、運動やフリースタイルの練習でめちゃめちゃに汗をかいてしまった人にも使えると思います!
■目次
1. 脱水のおそろしさ
2. 経口補水液の作り方
3. まとめ
▲目次にもどるボタン
1.脱水のおそろしさ
ヒトの体の約50~70%は水分です。
水が失われることにより、はじめはめまいやふらつき、
悪化してくると頭痛、吐き気も起こってきます。
さらにひどくなると意識障害、痙攣、血流量減による臓器障害までも起こってくるので早めの対応が不可欠です。
このあいだのトークショーでも少し話しましたが、水分不足は疲れ、集中力低下にも繋がります。
体内の水分が足りないと細胞や肌も老化してしまいます。
普段から脱水を防ぐようこまめに水分摂取を心がけましょう。
重度の脱水症状に対しては点滴が必要になりますが、そこまでひどくなければ経口補水液が積極的に使われます。
市販で有名なものだと大塚製薬のOS-1があり一度は口にしたことのある方も多いかもしれません。
市販品を買う方がマグネシウムやリン等も含まれているためおすすめですが、
家でもそれに近いものが作れたら疲れている時に買い出しに行く労力も減らせるでしょう。
▲目次にもどるボタン
2.経口補水液の作り方
市販の経口補水液OS-1の表記:関与する成分の濃度
「Na+ 50mEq/L, K+ 20mEq/L, Cl- 50mEq/L, ブドウ糖1.8%」
を参考に、家にあった塩とブドウ糖で似たものを作ってみることにしました。
作り方から書くと
500mLペットボトルに
塩1.5g、ブドウ糖9g入れて
水をいっぱいにするとできます。
(僕が使ってたブドウ糖は粒のやつで1個3gだったので3つ入れてました。ちょうどペットボトルの口を通るサイズ。)
調べてみたらブドウ糖がなければ応急処置的には砂糖40gでも代用できるようですが、
砂糖は使いたくないのでうちにはオリゴ糖くらいしか置いてないのでそっちは試してません。
口から摂取した水の吸収に関わってくるのが電解質と浸透圧で、
主に大事なのはナトリウムとブドウ糖の割合です。
それらを小腸にある共輸送体が運び、浸透圧の差を利用して水も吸収されます。
スポーツドリンクなどにも電解質は含まれていますが、
経口補水液に比べて濃度が低いので、脱水時にはうまく改善されないようです。
脱水の程度により適切な電解質濃度が異なってきますので注意が必要です。
カリウム製剤は家に無かったので、
失われたカリウムはバナナ等で補給することにしました。
サイズにもよりますがバナナ1本でカリウム10~20mEqくらいとれます(バナナ100gあたりカリウム360mg)。
将来薬剤師になる予定の友人達も一部読んでくれているらしいので一応計算もメモ程度に書いておきます笑
〈計算〉
目標はNa+ 50mEq/L, Cl- 50mEq/L, ブドウ糖1.8%。
①まずNaとCl。
Na+とCl-は経口補水液1L中に50mEq。
1L中に含まれるNaClをxgとすると
NaCl → Na+ + Cl-
1mol(58.5g) 1Eq 1Eq
xg 50mEq 50mEq
58.5g : 1Eq = xg : 50mEq
x = 58.5g × 50 / 1000 = 2.925 ≒ 3g
②次にブドウ糖
ブドウ糖1.8%→100mLの液体の中に1.8g
③500mLペットボトルで作る方が楽だし、
細菌繁殖のことも考えてこまめに作りたかったので500mL単位で。
NaClは3g/1L、ブドウ糖は1.8g/100mLと算出できたので
500mLあたりに換算して、塩1.5g、ブドウ糖9g入れたら目標濃度になります。
〈計算終了〉
OS-1の味っぽくなったし、口に含んだ時によく吸収してくれそうな優しい感触になりました。(分かる人にはわかると思う笑)
3.まとめ
mEq計算などは薬剤師として輸液の調整や栄養管理でよく使うのですが、こういう時にも役立つので便利だなあと思いました。
夏の一番暑い時期は過ぎましたが、皆さんもエアコンの使い方等には気をつけてください(自戒)
今回紹介した経口補水液は風邪、インフルエンザ、感染性胃腸炎などによる発熱、発汗、嘔吐、下痢の他にも
熱中症予防、運動やフリースタイルの練習でめちゃめちゃに汗をかいてしまったひとにも使えると思います。
脱水の時は失われている電解質の補給と効率の良い水分吸収が大切になってきます。
そういう場合に是非、経口補水液をお使いください。
塩はどのご家庭にもあるかと思いますが、これを機にブドウ糖も置いておくといいかもしれません。
また、体の異常がある場合は、各自の判断だけでなく、医療機関を受診されるようにお願い致します。
#健康マニアな薬剤師 Akitoshi Tokubuchi 競技ヨーヨー全日本チャンピオン
▲目次にもどるボタン