良い友達に囲まれて幸せだなぁとか
健康があるからこそ毎日楽しく生きられるなぁとか
よく思うわけです。
こういう幸せって数値化することができるのかな?
と思って探してみたら少し近いものが見つかりましたのでそのお話を。
■目次
4. まとめ 幸福経済学的に意識すると良さそうな3つのポイント
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1.幸福度を年収に換算してみるという学問
人間関係や社会的状況における幸福度を
お金に換算すると
年収としてどれくらいの価値になるか
を調べた、2007年のロンドン大学の研究があります。[1]
Putting a Price Tag on Friends, Relatives, and Neighbours: Using Surveys of Life Satisfaction to Value Social Relationships
幸福度を年収に換算した結果
※補足
研究当時の背景としては
一人当たりの平均実質世帯年収は£9,800。研究当時の 1 £ (ポンド)は 今の日本円で118円くらいの価値になる
と考えて換算しています。自分なりの考えで導出しているため
日本円換算に関してどう捉えるかはご参考までに。
算出の考え方は後述しています。
したがって当時の一人当たりの平均実質世帯年収を基準として、その何倍の幸福度を感じる
という見方の方が無難かもしれません。カッコ内の(一人当たりの平均実質世帯年収の~倍)も目安にしてみてください!
というわけで結果は以下のようになったようです。
数値の導出は
1.プロビット分析と最小二乗回帰(OLS)を用いて算出
2. 観察されない個々の特徴等を生活満足度の式から除外し補正して導いた
数学の内容とかがめちゃめちゃ難しかった…ので要点を。
ⅰ)友人や家族と会う頻度
月1〜2回 £57,500 ≒ 年収679万円相当 (一人当たりの平均実質世帯年収の5.9倍)
週1〜2回 £69,500 ≒ 年収820万円相当
ほぼ毎日 £85,000 ≒ 年収1,003万円相当! (一人当たりの平均実質世帯年収の8.7倍)
ⅱ)隣人と話す頻度
月1〜2回 n.s. ≒ 有意差無し
週1〜2回 £22,500 ≒ 年収266万円相当
ほぼ毎日 £37,000 ≒ 年収437万円相当
ⅲ)社会的変化
結婚 £50,500 ≒ 年収596万円相当 (一人当たりの平均実質世帯年収の5.2倍)
カップルで住んでいる £82,500 ≒ 年収974万円相当 (一人当たりの平均実質世帯年収の8.4倍)
別居することになった −£139,000 ≒ −1,640万円/年の損失相当
離婚 n.s ≒ 有意差無し
未亡人 −£208,500 ≒ −2,460万円/年の損失相当
失業 −£143,000 ≒ −1,687万円/年の損失相当
障害者 −£165,000 ≒ −1,947万円/年の損失相当
良い健康 £423,500 ≒ 年収4,997万円相当!! (一人当たりの平均実質世帯年収の43.2倍!?)
優れた健康 £483,000 ≒ 年収5,699万円相当!! (一人当たりの平均実質世帯年収の49.3倍!?)
ちなみに算出方法2の補正前の値でも
非常に悪い健康状態から健康を取り戻した時に
年間約£300,000 ≒ 年収2542万円相当!!(一人当たりの平均実質世帯年収の30.6倍!?)
の幸福度を感じるという結果となっています。
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2.結果より抜粋。それぞれの幸福度をお金に換算すると?
○友人や家族との良い人間関係が幸福に与える影響
月1,2回程度会うだけでも幸福度は年収680万円相当、
ほぼ毎日会えば年収1,000万円相当になるようです!
ほぼ毎日仲のいい友人や家族と会う場合
ポンドのままで考えても£85,000ってことは
当時の一人当たりの平均実質世帯年収£9,800の9倍ですから
人間関係の大切さがよくわかりますね。
月1~2回友人や家族と会うだけでもかなりの幸福度を味わえるようですし
会う回数を積極的に増やしていきたいですね。
今の時代なら連絡を取り合うのもいいのかも?
○結婚・カップルで一緒に住む
やはり結婚も年収600万円相当の大きな幸せを感じるようです。
結婚よりもカップル2人で住んで一緒に行動している時の方が
年収970万円相当と幸福度が大きいのは
期待感や自由度の影響もあるのかもしれませんね。
×別居、未亡人、失業など
別居(-1,640万円)、未亡人(-2,460万円)、失業(-1,690万円)等の体験はやはりかなりの損失と感じるようです。
そりゃメンタルも病みますわ…ってくらいの負の金額ですね。
離婚は補正前の数値では、かなりの損失
となる値でしたが、補正後の数値に有意差は無かったようです。
(前述の論文内容結果等もうちょっと詳しく見たい方用ボタン参照)
離婚後の新たな生活に向けた期待によって
開放される喜びを感じる人もいる影響かもしれません。
◎健康!!
中でも健康に関しては桁が違いますね!!
非常に悪い健康状態から良い健康状態を取り戻した時に
年収2500万円~5000万円相当の幸福度を感じる
という結果になっています!!(補正前と補正後を考慮して)
これは
一人当たりの平均実質世帯年収の
30~50倍もの数字になります。
健康を取り戻し、その大切さに改めて気がついて生きるようになってから
毎日ほんとうに楽しく感じるのは
幸福経済学の観点から見ても自然なことなのかもしれません笑
健康のためには人間関係も大切だと言われているので
良好な人間関係による幸福感も含めた上位互換的な効果もありそうですね。
まあ年収は一定以上の額になるとそれ以上幸福度はあまり上がらないという研究もあったりしますので、
必ずともこういう結果にはならないとは思いますが
何はともあれ人間関係や健康が幸福度にとてつもない寄与をしているのは間違いなさそうです。
無理して仕事を頑張って年収をあげようとするよりは
先に職場や友人との人間関係や健康を大切にしたほうが幸福度は上がるようです。
就活の際に、今の職場を選んだ最後の決め手は
人間関係が良さそうという理由でしたが、
毎日得ているの感覚の後押しで
正しい選択だったと確信できる内容の論文でした笑
以前仕事で身体を崩したことがありましたが、
今は良い人間関係や健康により普段から幸せを感じているからか、
仕事にもすごく身が入るのを実感することが多いです。
そして、年収の額よりも、
仕事内容や成長できる有意義な時間の方が大切だなとすごく思います。
毎日ほんとうにやりがいのある仕事をさせて頂いており感謝です。
あと、この原著論文を全文読むためには
申請が必要なのですがすぐに許可を頂けました。
こういう時に大学病院に勤めているのはでかいなぁと。
患者さんと話すときにも本人さんの積極的な治療に向けて
このような情報を活用できることがあるので
もっと頑張ろうと思えます。
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3.良好な人間関係を保つ上で有効な方法とは?
良好な人間関係を保つ上で非常に有効とされているのが
何かしらのコミュニティに属しているということです。
私の場合、学生時代の友達の他には
医療系やヨーヨー関係の友人が多くを占めており、
学会や大会、イベントなどで定期的に会える人も多いです。
好きなことが共通しているだけでも
初対面で仲良くなれるきっかけや
継続できる良い関係になれる可能性が十分にあります。
それに、様々な年齢や趣味・職種の人と出会うこともできるので
視野がすごく広がりますし、たくさんの刺激を得られます。
ヨーヨーのおかげで日本中・世界中に友達ができたことは
私の中で人生が大きく変わったターニングポイントになりました。
今のところ思いつくものがない人は
幸福度を上げる簡単な手の一つとして
習い事を始めたり、特定のコミュニティに入ってみるのも
いいのかなと思います。
ヨガやジム、ボルタリングなど、好きなスポーツであったり
料理教室、音楽、映画・アニメやゲームなどでも、
趣味や好きなことに関するコミュニティーであればいろんなものがあると思います。
何のコミュニティーであっても
最初はレベル差があったり話が合わないかもなど不安に思ったり
なかなか敷居が高いと思うかもしれません。
ですが、誰しもみんな最初は初心者です。
恥ずかしがって参加しないよりも
1度しか無い人生、思い切って楽しみましょう!
好きなことが同じ人達と過ごせる居心地の良さは素晴らしいものです。
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4.まとめ!幸福経済学的に意識すると良さそうな3つのポイント
①仲のいい友人・家族と会う頻度を増やし人間関係を大切にしましょう!
②特定のコミュニティーに入ってみましょう!
③身体の健康をより大切にしましょう!
全体をおさらいすると
仲のいい友人や家族と
月1,2回程度会うだけでも年収680万円相当、
ほぼ毎日会えば年収1,000万円相当
(当時の一人当たりの平均実質世帯年収£9,800の9倍)
の幸福度が感じられるようです。
会えない場合でも定期的にメールや電話をすると良いかもしれませんね!
別の研究ですが職場に仲の良い友人が3人いると
人生の満足度も2倍近くに上がるそうです。
さらには
非常に悪い健康状態から良い健康状態を取り戻した時に
年収2500万円~5000万円相当の幸福度を感じる
(一人当たりの平均実質世帯年収の30~50倍)
ということでした!!
一度健康を損ねた後に取り戻して
マニアックに健康極めようと楽しんでる私が
毎日とてつもない幸福を感じていることは
幸福経済学の観点から見ると自然なことなのかもしれません笑
というわけで、良好な人間関係や健康が
幸福度に大きく寄与をしているというお話でした。
毎日幸せを感じながら楽しく生きるためには
金銭感覚的にも健康は大事だということで、
今後も当ブログを読んでいただけたら嬉しいです笑
今後ともよろしくおねがいします!
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※補足 続き ー今の日本円の価値への換算ー
当時の£ポンドを今の日本円に換算する場合に
自分一人では納得したのですが、
これであっているかの確証は無いので
計算の過程を書いておきます。経済学に詳しい方、もし違ってたら教えていただけますと幸いです。
論文中に示されている当時のデータとしては
・一人あたりの平均実質世帯年収は£9,800…①
・1 £ ≒ 1.5 US $ …②とありました。
また、調べてみたところ
1997年頃は1 £ = 約200円…③
日本の物価は1997年に比べ2018年では1.7倍…④
(∵日本の購買力平価GDP 1997年3215.96→2018年5632.48 )
1997年前後のイギリスの一人当たりGDPは約20,000ドル…⑤とのことでした。
したがって
研究当時の 1 £ は 今の日本円で118円くらいになると考えられます。…⑥ ∵③④
(200円 ÷ 1.7 = 117.6)
そうすると、研究当時のイギリスの
1人あたりの平均実質世帯年収は
約116万円に相当になります。(£9,800×118円/£)∵①⑥
また、
一人当たりの平均年収は
一人当たりGDPから算出した20,000 $ = 13,333 £ ≒ 約133万円
よりも少し少ない数値になると考えられます∵②⑤ので116万円相当とういう数値はわりかし妥当かなと思います。
よって
研究当時の 1 £ は 今の日本円で118円くらいになる
と考えて換算しています。
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